「会社を辞める決意をした」「転職先が決まった」次に取り組むべきは「円満退社」の準備ですね。
しかし「人間関係が悪化しないか?」「トラブルなく会社を辞めるにはどうしたらいいのか?」と不安に感じていませんか?
多くの人が、退職の際にトラブルや誤解を避けたいと考えるのは当然のことです。
前職の評判が良ければ、新しい職場での信頼も得やすくなり、好印象を与えることができます。
この記事では、退職の際の具体的なステップやトラブル回避のポイント、さらには心理的な壁に立ち向かう方法についても解説。
円満退職を経て、将来にわたって良好な人間関係を維持するための内容をお届けしますので、最後までご一読いただければと思います。
退職までの基本的な流れとポイント
退職の意思を伝える適切なタイミングとアポイントメントの取り方は、円満退職にとって非常に重要です。
退職意思を伝える際は、できる限り退職希望日の1〜2か月前に行うことが望ましいでしょう。
早期に伝えることで、後任への引き継ぎや取引先への挨拶などの必要な手続きを円滑に進められます。
退職の意思を伝える(2か月〜1か月半前)
退職意思の伝達は、就業規則に記載されている期限を守ることが基本です。
しかし通常は退職希望日の2か月〜1か月半前に伝えることが適切とされています。
とくに重要なプロジェクトの途中や人事異動の期間中は避けるべきです。
また自分では「大した仕事じゃないし、引き継ぐことも簡単だな」と思っていても、「ある程度の経験があったからこそできていた!」「あなただから簡単だった」という業務もあります。
自己判断せず、退職希望日の2か月〜1か月半前に伝えることを心がけてください。
民法第627条では「雇用期間の定めのない者からの、雇用解約の申し入れ」は「2週間前」でいいとありますが、2週間前の退職意思の伝達では、揉め事になる場合もあるので避けましょう。
しかしハラスメントを受けている場合などは、円満退職を考えず「法律上は2週間前の申し入れで大丈夫」とのことを認識しておくと良いでしょう。
民法第627条
- 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
- 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
- 6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない。
退職願・退職届を提出する(2か月〜1か月前)
口頭で退職の意思を伝えた後、退職に向けての準備を進めましょう。
退職願または退職届を、直属の上司や人事部に提出します。
文書の提出は、退職の意思が確固たるものであることを示す重要な手続きです。
業務の引き継ぎをする(1か月前〜最終出社日)
引き継ぎは、円滑な退職と組織内の業務継続のために必要不可欠です。
早期に引き継ぎ計画を立て、必要な書類や情報を整理し、後任者に説明できるよう準備しましょう。
計画書を作成することで、業務の中断を最小限に抑えることが可能となります。
社内外への挨拶をする(1か月前〜最終出社日)
適切な挨拶を行うことは、将来的なネットワーク維持につながり、プロフェッショナルな印象を残せます。
退職日が近づいたら、社内外の関係者に対して適切に挨拶を行いましょう。
挨拶を行う対象は同僚、上司、そして取引先も含まれます。
返却物・受け取る物の確認(退職1週間前〜最終出社日)
退職直前の期間には、会社への返却物と自分が受け取るべき物の両方を確認します。
【会社への返却物】
- IDカード
- 鍵
- 携帯電話
- パソコン
など業務で使用していた物。
【自分が受け取るべき物】
- 退職金
- 最後の給料明細
- 雇用保険の手続きに関連する書類
などの法的書類。
これらの確認を行うことで、双方にとって受け渡し品が明確になり後のトラブルも回避できます。
退職理由ランキング
退職理由の伝え方として本音と建前という気持ちがありますよね。
そこで「エン転職」が10,432名に本当の退職理由についてアンケートを実施した興味深いデータがあります。
(データ元:エン転職1万人アンケート)
会社に伝えた退職理由
会社に伝えたトップ3は、
- 新しい職種にチャレンジしたいため
- 別の業界にチャレンジしたいため
- 結婚など家族の事情のため
会社に伝えた退職理由
ですが、「本当の退職理由を伝えましたか?」のアンケートに対しては、約60%の人が「本当の理由を伝えた」と回答しています。
本当の退職理由を伝えましたか?
会社に伝えなかった本当の退職理由
上記アンケートで約40%の人が「本当の理由を伝えていない」と回答しています。
さらに、「本当の理由を伝えていない」と回答した人に、本当の理由を伝えなかった「本当の退職理由」を聞いた結果、
- 職場の人間関係が悪い
- 給与が安い
- 会社の将来性に不安を感じた
と回答しています。
本当の退職理由を伝えなかった理由
ではなぜ「本当の退職理由」を伝えなかったのですか?についてのランキングは、
- 円満退社したかったから
- 話しても理解してもらえないと思ったから
- 言う必要がないと思ったから
という回答でした。
このデータから円満退職を実現させるには、少なからず本音と建前を使いわけていることが読み取れましたね。
退職理由の伝え方
円満に退職するためには、退職理由をどのように伝えるかが非常に重要です。
退職理由は正直かつ尊敬をもって、感情に流されることなく伝えましょう。
退職を伝える時期・タイミング
退職の決意をしたからと言って、自分の都合だけで行動してはいけません。
伝える時期、タイミングはどのような配慮が必要なのでしょうか?
退職の意思を伝えるのは、遅くとも退職の1か月前までに
民法第627条では2週間前で良いとしているが、なぜ最低でも1か月前までに申し出が必要なのか。
まず事務員や総務は退職の申し出があると必要な手続きや書類の準備を行います。
- 退職届の受理
- 退職日の決定
- 退職時誓約書の締結
- 雇用保険の資格喪失手続き
- 社会保険の資格喪失手続き
- 源泉徴収票の発行
- 退職証明書の準備
など、退職者に将来の雇用や社会保障の利用、税金の処理に影響が及ばないように、手続き書類の準備といった負担がかかります。
また後任者への業務の引き継ぎも必要です。
後任者にとっては負担となる業務なので、適切な引き継ぎ計画を立て、必要なトレーニングを行う時間をしっかりと確保しましょう。
転職先が決まっている場合、退職を伝えるタイミングは?
転職先が決定した後、現在の職場に退職の意向を伝えるタイミングは、新しい会社との「雇用契約書」にサインをした後にしましょう。
内定通知書が届いただけでは、労働契約上の雇用契約とはいえず、取り消しになるリスクもあります。
また口頭で「内定です」と言われても安心してはいけません。
必ず契約書にサインを行い、新しい会社との雇用関係を確認した上で退職の意思を伝えましょう。
上司が忙しい時間帯はなるべく避けて退職を伝える
退職の相談は上司にとってもショックなことです。
会議の前や、重要な商談の前は避けるのが良いでしょう。
上司も精神的に余裕のあるときのほうが、退職の相談を前向きに受け入れてくれる可能性があります。
退職を伝える相手・場所
退職を伝える際には「誰に」伝えるか、「どこで」伝えるかは非常に重要です。
適切な方法で退職の意向を伝えることが、円満退職につながります。
直属の上司に口頭で退職を伝える
退職の意向は、直属の上司にまず口頭で伝えるのが基本です。
部長や人事に伝えたほうが良いと考える人もいますが、必ず直属の上司へ伝えましょう。
直属の上司を飛び越えてしまうと、上司が会社側から「管理能力が不足している」と思われる可能性があります。
退職には上司の協力も必ず必要になります、しかし溝が生まれてしまうと円満退職につながらないでしょう。
退職を伝えるときは、事前にアポイントをとる
忙しい業務中に、上司へ突然退職の話を始めても、対応できない場合があります。
上司のスケジュールがわからない場合は「ご相談があります。後ほど少々お時間をいただけますか?」など、時間調整をお願いしましょう。
日常業務とは切り離した時間を作ることで、上司も聞く準備を整えられます。
上司と二人きりの落ち着いた場所で退職を伝える
退職の話は上司にとって非常にショックの大きい、センシティブな内容です。
周囲に人がいる状況で突然退職の話を始めては、上司も困ってしまいます。
会議室や商談ルームなど、二人きりで落ち着いて話ができる環境を作り、退職の相談を切り出しましょう。
テレワークの場合の退職の伝え方
メールやチャット等、文字だけによる退職相談は誤解を招くことがあるため、避けましょう。
上司と直接対面で会うことが望ましいですが、遠方などで難しい環境の場合は、ZoomやTeamsなどWEB会議ツール、もしくは電話で伝えることが望ましいです。
直接声を聞いてもらうことで、より真剣な印象を与え、思いもしっかり伝えられます。
退職の伝え方に関するQ&A
退職の意思を伝える状況は、想定外の場合もあります。
以下の3つの場面を考えてみましょう。
1:短期退職の場合
入社後すぐに退職を検討せざる得ない場合もあります。
「募集要項と違う」「面接で聞いていた話と違う」「想像していた環境と違う」など、試用期間中に退職を考えることも起こりえます。
しかし「話が違うから退職します」というように、一方的に会社側の責任にすることは避けましょう。
たとえ短期退職であっても、お世話になった人に敬意を払い、円満退職を心がけてください。
2:急遽退職しなければならない場合
「親の体調悪化により家業を継ぐことになった」「待遇者の転勤により退職することになった」「病気が悪化した」など、自らの意思ではないが退職しなくてはならない状況もあります。
退職理由を伝える際は、可能な範囲で事実を伝えましょう。
また急を要する場合は、即日退職が認められるケースもあるので、会社側に相談してください。
3:上司が忙しくて時間が取れない場合
営業職など出張が多かったり、シフト時間が合わなかったりと、上司と直接会えず、退職を伝えるタイミングを逃してしまうケースもあります。
退職の意思を伝えるためのアポイントは、メールやチャット等でも問題有りません。
「ご相談があります。少々お時間をいただけますか?」など事前に連絡をしてください。
部下の相談を聞くことも上司の仕事の一つです、気を使いすぎずアポ取りしてみましょう。
円満退職するための伝え方ポイント
円満退職をするための伝え方のポイントは、言い換えと配慮です。
退職を決意した背景には、多くの場合、なんらかの不満が存在します。
しかし不満を伝えて円満退職が実現できたという話はあまり聞きませんね。
退職日までの期間を、良好な関係を維持しながら過ごすためには、伝え方のポイントを意識することが重要です。
退職理由は、なぜ「前向きな理由」に言い換える必要があるのか?
退職の伝え方を「前向きな理由」で表現すると、退職時のイメージをポジティブに保つことができます。
良い印象を残すことは、将来的に再び元の会社と仕事をする可能性がある場合、有益な手助けとなるからです。
退職理由は不満や批判的な伝え方を避け、キャリアアップや新しい挑戦など、自己成長につながるポジティブな動機を前面に出すことが望ましいですね。
前向きな退職理由は、上司や同僚にも理解してもらいやすくなります。
また退職後もプロフェッショナルな印象を保てるので、良好な人間関係を維持することが可能になるでしょう。
後任への引き継ぎをしっかり行う
円満退職のためには、後任への引き継ぎを丁寧に行うことは欠かせません。
引き継ぎを行うことで、自分が抜けた後の業務に穴が開かないよう配慮し、職場の仕事の流れをスムーズに保つために重要です。
可能な限り、引き継ぎ資料を作成し、後任者に必要な情報を整理しておくと良いでしょう。
退職理由の嘘はバレる?
明らかな嘘はいずれバレてしまいます。
今の会社と、転職先の会社が将来どこかでつながる可能性があるからです。
さらにSNSという現代ならではの情報拡散ツールがあるので、明らかな嘘はいずれバレてしまうでしょう。
せっかく転職をはたせても、嘘がバレて信用が下がる場合もあります。
退職理由は嘘ではなく言い換えをして、本音と建前をうまく使い分けることが大切です
自己都合の場合は言い方に注意する
「結婚することになった」「家業を継ぐことになった」など人生の節目となるような理由であれば、正直に退職理由を伝えましょう。
しかし不満が退職理由である場合は、言い方の変換をしてください。
「キャリアアップのため新しいことに挑戦したい」「夢の実現のためライフスタイルを変えたい」など、前向きな理由であれば上司も退職に対して理解を示しやすくなります。
【参考例】
- 望んでいる職務内容じゃない(本音) > 自分の得意分野で働きたい > 新しい挑戦をしたい(建前)
- 人間関係で悩んでいる(本音) > 職場を変えたい > 健康維持のため自分にあったライフスタイルで働きたい(建前)
同僚に転職活動していることはなるべく伝えない
転職活動は在職中に行い、転職先が決定してから退職を伝えるのがベストです。
しかし企業にとっては人材を失うことになるので、転職活動が発覚した場合、上司から執拗な嫌がらせを受けることも考えられます。
さらに同僚からは「忙しいのに転職活動する時間はあるのか!」などと、不満の原因にもなりかねません。
転職活動の発覚はリスクを伴うので可能な限り内密に行い、転職先が決まってから、適切なタイミングで上司を通じて同僚に情報を開示することが望ましいでしょう。
円満退職するための退職理由の例文
上司や会社側に、不満や批判をぶつけても関係性が壊れるだけで良い結果は期待できません。
ではどのような理由なら退職を受け入れてもらいやすいのか?
下記に言い換えの参考をご紹介します。
【例文】ポジティブな退職理由
抱えている不満や批判を、下記例文に当てはめて、良好な関係を維持しつつ退職の意向を伝える方法に変換してみましょう。
良好な関係を維持することは、将来的に前企業の関係者と再協力の機会が得られた場合など、良好な人間関係を維持するのに役立ちます。
【新しい環境での成長を求めて】
- 新しいスキルを身につけ、自己成長を目指すために、新たな場所での勤務を決心しました。異なる環境での経験が、私のキャリアに新たな価値をもたらすと感じています。
- 多様な職場での経験が私の能力向上につながると感じており、新しい挑戦に向けて、一歩踏み出すことを決めました。
【キャリアアップの機会を追求して】
- キャリアの進路を見直し、異業種での経験を通じて、自分の可能性をさらに拡げようと決断しました。
- 自分の価値観に合う職場で働くことが、長期的に満足のいくキャリアを築く上で重要だと感じ、新たなスタートを切ることにしました。
【専門性を深めるため】
- 専門性をいっそう深めるため、さまざまな視点をもつ職場への移動を決断しました。
- 専門スキルをさらに磨くため、より特化した専門性をもつ環境への移行を決意しました。この決断は、私の長期的なキャリアビジョンにとって大切な一歩だと感じています。
【ワークライフバランスの追求】
- 家族ともっと時間を過ごせるよう、ワークライフバランスを重視する職場を選びました。
- 異なる職場文化で学びながら、多様な働き方を実現したいと思っています。
【対人関係を改善させるため】
- コミュニケーション力をさらに発展させるため、より多くの職務経験を積むことが必要だと感じています。新しい職場でのさまざまなプロジェクトを通じて、チーム内の対人関係を改善し、メンバーとの効果的なコミュニケーションを図るスキルを磨いていきたいです。
- これまでの経験を活かしつつ、異なる業界でのネットワークを築くことが、自分の成長に必要だと感じています。新たなチャレンジを通じて、さまざまなバックグラウンドをもつ人々との関係を良好に築く能力を高めたいと考えております。
【例文】個人的な事情を盛り込んだ退職理由
個人的な事情を含む退職理由も、誠実かつ前向きに伝えましょう。
退職後に元同僚や上司とどのような縁があるかわかりません。
良好な関係を維持することで、将来的なネットワークや再就職の際の推薦など、必要なサポートを得られやすくなります。
【健康上の理由】
- 結果を出すことにこだわり続け、自らの健康を顧みずに仕事を優先してしまいました。体調を崩してしまいしばらく静養することが必要となりましたので、退職を決意いたしました。
- 持病が悪化し、日常の業務を続けることが困難になりました。適切な治療と回復に時間を割くことが必要であると判断し、退職を決意しました。
【教育・リスキリング】
- 新しい分野での専門知識を深めるために、学業に専念することを決意しました。この学びを通じて、より広範な知識とスキルを習得し、将来的にはこの分野での更なる貢献を目指します。
- 変化する業界の要求に適応し、新たな技術を身につけるために、リスキリングプログラムに参加することにしました。現在の職を離れ、専門的なトレーニングに集中することを決意しました。
【家庭の事情】
- 親が体調を崩したため私が家業を引き継ぐこととなり、このたび退職を決意いたしました。家業運営に専念するため、この新しい責任を果たすことにしました。
- 親の介護が必要となり、家族としての役割を果たすために退職を決意いたしました。
【家族との再統合】
- 家族が新たに移住した地域での生活を始めており、私も共に生活することを決断しました。家族との日常を共有することで、お互いをサポートする時間を増やしたいと考えています。
- 長い間離れて暮らしていた家族との距離を縮めるため、同じ地域に移住することを決めました。共に新しい生活を築き上げることで、家族としての絆をさらに深めたいと考えています。
【独立する場合】
- 長年の夢である自分のビジネスを立ち上げるために、退職を決意しました。これまでの経験を活かし、新しいチャレンジに全力を注ぎたいと考えています。
- 自身のアイデアと情熱を形にするために、起業家としての道を歩み始めることにしました。これまでの経験が、自分自身のプロジェクトを成功させるための貴重な基盤となると信じています。
退職時に起きがちなトラブルとその回避法
退職を伝える際、時としてさまざまなトラブルが生じることもあります。
円満退職のために、やってはいけないこと、注意することを理解しておきましょう。
退職を「最初に告げる相手」を間違え、関係が悪化
退職の意思を最初に伝える相手は、必ず「直属の上司」です。
直属の上司より上位の役職や社長に話してしまうと、直属の上司の管理能力が問われかねません。
結果、直属の上司との関係性が悪化してしまい、円満退職が難しくなる可能性もあります。
くれぐれも礼儀を大切にし不必要なトラブルは避けましょう。
退職願を出したのに、勝手に保留にされていた
退職願を提出しても、上司が承認を渋り、退職手続きが進まないケースは少なくありません。
では、なぜ退職願いは保留にされるのでしょうか?
- 退職による人員不足や業務の遅延が生じることへの懸念
- 適切な後任の確保や引き継ぎの準備が整っていない
- あなたの能力や貢献を評価して引き留めたいと考えているから
- 退職者が多いと職場全体の士気に影響を与える可能性があるため
など退職の波を抑制したいという管理上の理由から退職願をすぐには受理しないこともあります。
保留されるというトラブルを防ぐためには、退職の意思を上司に話す際に以下の対策を取っておきましょう。
- 会社の就業規則を確認すること
- 2か月〜1か月前に話し、具体的な退職日も伝えること
- 業務の引き継ぎ計画を立てておき、書面にて示す
- 退職願のコピーは必ず取っておくこと
退職願を出して一週間経っても人事部門や会社側から何も連絡がない場合は、上司へ確認してください。
強い引き留めに合い、キツイ言葉で責められた
社長室や役員室に呼ばれ、長時間にわたり「会社に恩を感じていないのか?」「君は業務に対して何の義務感も感じないのか?」などと責められたという話も耳にします。
上層部への説明は、上司への説明よりいっそう明確な退職理由をもつことが大切です。
退職理由があいまいだと会社側は「引き留めの余地がある」と判断し、待遇改善を提案して残留の交渉をしてきます。
しかしたとえ強い引き止めの末、退職を断念したとしても、一度壊れた上司との関係性は会社に残ったとしてもマイナスになるでしょう。
強い引き留めや、キツイ叱責は避けられない場合もありますが、退職理由を明確にしておくことが大切です。
退職を伝える際の心理的障壁と気持ちの切り替え方
退職を伝える際に直面する心理的障壁は、多くの人が大きなストレスと感じています。
以下に、心理的障壁を乗り越え、気持ちを前向きに切り替えるためのアプローチを紹介しましょう。
上司にキレられるのが怖いから
退職の意思を伝えた際にキレる上司は少なからず存在します。
ではなぜ上司は怒るのでしょうか?
上司が退職を知らされた際に感じる怒りは、一部は保身のための感情であり、一部は会社への忠誠心から来るものと考えられています。
- 保身のため
部下の退職は自身の管理能力やリーダーシップに疑問があると感じることがあります。
退職者が出ると、上司自身の評価に影響を与える可能性があるため、そのような事態を避けようとする自己保護の感情が働くことも少なくありません。 - 会社への忠誠心
上司が感じる怒りやストレスの一部は、会社全体の利益やチームの運営に対する責任感から来ています。
部下の退職がプロジェクトの遅延や、チームの士気に影響を与えることを心配し、会社への忠誠心からそのような影響を最小限に抑えたいと考えるためです。
上司が怒り出したときは自分自身が冷静を保つことが大切です。
そして上記のように、「けっして自分を心配して怒っているのではないのだな」と冷静に分析できるぐらいの気持ちの余裕をもちましょう。
同僚に負担がかかりそうで申し訳ないから
同僚への負担を意識してしまい、退職を決断できないことは人として自然な感情の表れです。
しかし、申し訳ない気持ちを前向きに変える方法があります。
同僚への負担を軽減させるには、退職を決断したら早期に上司へ伝えることと、可能な限り引き継ぎを丁寧に行うことです。
後任をお願いする同僚へ詳細なドキュメントを準備し、必要なトレーニングを行い、余裕をもった計画を準備しましょう。
同僚への負担がゼロという退職方法はないはずです。
ならば後任をお願いする同僚のため、少しでも負担を軽くできる方法を選択しましょう。
人手不足の現状は分かっているから
会社が人手不足で辞めづらいという状況は非常に多いケースです。
しかし人手不足の原因はあなたにあるのでしょうか?
求人をしても人材の確保ができない、退職者が続いてしまうといった原因は会社の責任です。
人手不足の現状にあなた自身が負い目を感じる必要はありません。
気が小さく自分の意思を伝えられない
退職を伝えることで、日常に波風が立つことを恐れていませんか?
自分の意思を伝えることが苦手な人はあなただけではありません。
しかし退職を決断した心境は、現状を変えたいという強い意志の現れのはずです。
まず、退職の理由を明確にし、自分の言葉で伝える練習をしましょう。
上司へ伝える際は、感謝の気持ちを示しつつ、退職の意思をはっきりと伝えることが必要です。
もし退職を伝えたことで辛い立場になったとしても、1か月ほどの辛抱だということを理解しておきましょう。
離職日までの扱われ方が不安
退職を伝えた後の離職日までの期間は、多くの人にとって不安な時期です。
とくに、退職の話が周囲にどのように受け止められ、自分がどのように扱われるかについて心配していませんか?
不安な気持ちを和らげる対策を3つ紹介します。
- オープンなコミュニケーションを心掛ける
オープンで正直なコミュニケーションを心掛けましょう。
とくに引き継ぎの詳細や未完了のタスクについては、透明性をもって情報を共有することが重要です。 - 感情的な反応に備える
場合によっては、同僚や上司からのネガティブな反応や行動に直面するかもしれません。
こうした反応には、冷静かつ適切に対応することが求められます。
感情に流されず、事実に基づいて行動しましょう。 - 前向きな未来に目を向ける
退職後の新しい機会に焦点を当てることで、現在の職場での不快な状況から、精神的な距離を置きましょう。
新しいスタートに向けて準備を進めることは、ポジティブな気持ちを持つことができます。
退職後の職場が決まっていない
退職を決意しても次の職場がまだ決まっていない場合、不安を感じますよね。
しかし大切な時間を使い、次のステップに自信をもって進むためにできることがあります。
- キャリアの見直し
自分自身のキャリア目標や将来の職業について深く考える良い機会となります。
どのような分野が自分に合っているのか、どのスキルを強化すべきかを冷静に評価しましょう - スキルアップ
未就職の期間は、新たなスキルを学んだり、既存のスキルを磨いたりする絶好の機会です。
オンラインコースやワークショップに参加して、職場で求められる資格や技術を身につけましょう。 - ネットワーキングの開拓
業界のイベントやオンラインフォーラムに積極的に参加し、プロフェッショナルなコネクションを広げましょう。
これらのつながりが、未来の職業機会につながることがあります。 - 健康管理
心身の健康を保ちながら、次の職場を見つける準備をすることも大切です。
適度な運動や趣味に時間を割くことで、ストレスを管理し、ポジティブな精神状態を維持しましょう。
次の職場が決まっていない期間を自己成長と自己評価の時間として積極的に利用することで、キャリアアップに向けて自信をもって進むことができます。
まとめ
円満な退職を実現するためには、適切な伝え方が重要です。
本記事では、円満退職のための心構えについて解説しました。
- いつ、誰に伝えるべきか
- 退職理由を前向きに伝えること
- 良好な関係の保ち方
本音はネガティブかもしれません、しかし建前でも良いので円満に退職することで、将来的なキャリアの選択肢も広がります。
もしまだ不安があるのなら、信頼できる転職サイトで相談してみましょう。
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